JLPT N1 - MOCK1 READING
日本(にほん)のコミュニケーションにおいて、「間(ま)」は極(きわ)めて重要(じゅうよう)な役割(やくわり)を果(は)たす。これは単(たん)なる言葉(ことば)の途切(とぎ)れや沈黙(ちんもく)ではない。会話(かいわ)の中(なか)で意図的(いとてき)に作(つく)り出(だ)される「間(ま)」は、言葉(ことば)以上(いじょう)に雄弁(ゆうべん)な場合(ばあい)がある。相手(あいて)への配慮(はいりょ)を示(しめ)したり、次(つぎ)の言葉(ことば)の重(おも)みを増(ま)したり、あるいは言外(げんがい)の感情(かんじょう)やニュアンスを伝(つた)えたりと、その機能(きのう)は多岐(たき)にわたる。言葉(ことば)を尽(つ)くして説明(せつめい)するのではなく、あえて語(かた)らない部分(ぶぶん)を残(のこ)すことで、相手(あいて)に察(さっ)することを促(うなが)し、より深(ふか)いレベルでの共感(きょうかん)や理解(りかい)を生(う)み出(だ)そうとするのである。この非言語的(ひげんごてき)なメッセージを汲(く)み取(と)る能力(のうりょく)は、円滑(えんかつ)な人間関係(にんげんかんけい)を築(きず)く上(うえ)で不可欠(ふかけつ)とされる。しかし、文化背景(ぶんかはいけい)の異(こと)なる相手(あいて)には、この「間(ま)」が誤解(ごかい)を招(まね)く原因(げんいん)ともなりかねない。肯定的(こうていてき)な沈黙(ちんもく)が、無関心(むかんしん)や反対(はんたい)の意思表示(いしひょうじ)と受(う)け取(と)られる可能性(かのうせい)も常(つね)に念頭(ねんとう)に置(お)くべきだろう。

筆者(ひっしゃ)が考(かんが)える「間(ま)」の最(もっと)も重要(じゅうよう)な働(はたら)きはどのようなことか。

💡 詳細解説

本文には、「間」の働きとして「言外の感情やニュアンスを伝えたり」「より深いレベルでの共感や理解を生み出そうとする」とある。正解の選択肢は、この「言葉にされていない感情や意図を伝え」「深い相互理解を促す」という点を的確に要約している。不正解1は、「間」の持つ多義的な機能の表面的な側面に過ぎない。不正解2は、本文で「反対の意思表示と受け取られる可能性」に言及されているが、それは誤解の一例であり、「間」の主要な働きではない。不正解3は、本文の最後で「『間』が誤解を招く原因ともなりかねない」と述べられていることと逆の内容であり、誤りである。