JLPT N2 - MOCK1 READING
「最近の若者の言葉の乱れが気になる」という嘆きは、いつの時代にも聞かれるものだ。新しい流行語や若者言葉、いわゆる「スラング」が次々と生まれ、大人はそれに眉をひそめる。しかし、言語学的な視点から見れば、言葉が変化するのは極めて自然な現象であり、むしろ言語が生きている証拠だと言える。 言葉は、その時代を生きる人々の生活や文化、社会の価値観を反映して常に変化している。例えば、現在私たちが「正しい」日本語として使っている言葉の中にも、数百年前には存在しなかったものや、本来の意味から大きく変わってしまったものが数多くある。かつての「若者言葉」が、時間をかけて社会全体に定着し、やがて「標準語」として辞書に載ることも珍しくないのだ。 もちろん、どのような場面でもスラングを使ってよいというわけではない。ビジネスや公的な場では、相手に敬意を払い、誤解を与えない正確な表現を用いる必要がある。しかし、日常会話の中で新しい言葉が生まれ、コミュニケーションの潤滑油として機能すること自体を否定すべきではない。言葉の変化を「乱れ」として一律に排除するのではなく、その背景にある社会の変化や新しい感性に目を向けることで、私たちは言葉の持つ豊かさや奥深さをより深く理解できるのではないだろうか。

言葉の変化について、筆者はどのように考えているか。

💡 詳細解説

筆者は、言葉の変化は自然な現象であり言語が生きている証拠だと述べています。一方で「公的な場では正確な表現を用いる必要がある」としつつも、日常会話で新しい言葉が機能すること自体は否定すべきではないと主張しています。これらを過不足なくまとめた選択肢が正解です。 他の選択肢は以下の理由で誤りです。 - 「若者が日常会話で標準語を使わなくなるのは当然のことだ。」:本文では若者言葉が生まれることを肯定していますが、標準語を使わなくなることまで正当化してはいません。 - 「社会から若者言葉は完全に排除するべきである。」:筆者は「一律に排除するのではなく」と述べています。 - 「現在は誤りとされている言葉も積極的に使うべきだ。」:公的な場では正確な表現を用いる必要があると述べており、どんな場面でも積極的に使うべきとは主張していません。