JLPT N1 - MOCK1 READING
Aの文章: 近年、企業の働き方改革の一環としてリモートワークが急速に普及した。この変化は、従業員にとっては通勤時間の削減や、仕事と私生活の調和といった点で大きな恩恵をもたらしている。場所に縛られない働き方は、個々の従業員が最も生産性の高い環境を選択することを可能にし、自律的な働き方を促進する。もちろん、自己管理能力が問われる側面はあるが、それは同時に個人の成長を促す機会でもある。企業側も、オフィス維持コストの削減や、地理的な制約を超えた優秀な人材の確保といったメリットを享受できる。適切なコミュニケーションツールと評価制度を導入すれば、生産性の低下を懸念する必要は薄いと考える。 Bの文章: リモートワークの拡大は、多くの企業にとって新たな課題を突きつけている。従業員が物理的に離れた場所で働くことは、偶発的なコミュニケーションの機会を奪い、組織内の一体感や創造性の源泉となりうる雑談を減少させる。特に、新しいアイデアの創出や、複雑な問題の解決には、対面での密な議論が不可欠であると感じる経営者は少なくない。また、企業文化の醸成や新人教育といった面でも、非対面でのコミュニケーションには限界がある。従業員の孤独感やエンゲージメントの低下も無視できない問題だ。生産性を数値だけで測るのではなく、組織としての持続的な成長を考えた場合、リモートワークへの全面的な移行には慎重になるべきだろう。

AとBの文章で述べられているリモートワークについて、両者の見解に共通する認識はどれか。

💡 詳細解説

正解は「従来の働き方とは異なるコミュニケーションのあり方が求められる点。」です。文章Aでは「適切なコミュニケーションツールと評価制度を導入すれば」とあり、新たな手法の必要性に言及しています。文章Bでは「偶発的なコミュニケーションの機会を奪い」「非対面でのコミュニケーションには限界がある」「対面での密な議論が不可欠」など、コミュニケーションの課題を指摘しています。両者とも、リモートワークに対して肯定的・否定的という異なる立場からではあるものの、コミュニケーションが変化し、対応が必要となる重要な要素であると認識している点で共通しています。 他の選択肢について、1はAで「自己管理能力が問われる」と触れられていますが、Bの主眼ではありません。2はAで述べられているメリットであり、Bでは言及されていません。4はBで「孤独感」として触れられていますが、Aでは言及されていません。